人工知能してみる

人工知能の中の人が機械学習とか統計とかAI的なことを書き連ねます

ロボアドバイザーってどうよ?

おはようございます。
Grahamianです。

今日のニュースは↓
www.fina-sol.com

ここ2, 3年で金融業界に一気に人工知能技術、というか機械学習プロダクトが一気に増えました。
いわゆるFintechってやつですね。

金融は数字データが多いので機械学習と親和性が高いと言われています。
為替とか株価とか財務諸表は数字で示されますからね。
確かにインプットデータをいろいろいじってやらなきゃいけない画像や音声よりは楽そうです。

中でも投資先の与信診断や管理をする技術に関しては「カン」や「経験」に頼らずにデータドリブンでできるのは価値あると思います。
ただ、消費者向け商品はまだまだイケてない感じありますね。

最近だとロボアドバイザーが有名です。
↑の記事の他にもtheoとか。

投資では投資先のリスクとリターンのバランスが非常に重要です。
これは個人投資でも同じで、特に投資信託ETFを用いた長期投資で言われてます。
このバランスをどうするべきかは一般に金融工学を用いることで簡単に決めることができます。
ポートフォリオのリスク・リターン曲線とか言われているヤツです。
このリスク・リターン曲線上でリスクを取るか安全性を取るかってのは個人の好みです。

実際にリスクとリターンと安全性をどうとるかってのは結構悩みの種でして、年齢とか給与をもとに考えます。
ただ正解の無い問題なので難しいです。
これを、いくつかの質問をもとにリコメンドするのがロボアドバイザーです。
リコメンドしたバランスを保つように勝手にリバランスしてくれるようです。
リバランスとは金融商品を売買して指定のバランスになるようにする行為を指します。
要約すると長期投資する上で重要なことをやってくれるAI商品ってことです。

んで、この商品は2つ問題を抱えていると思います。
1つ目は「コストが高い」ってこと、2つ目は「人工知能関係無いやん」です。

1つ目のコストが高いってのは深刻な問題です。
投資、特に長期投資ではコストが非常に重要です。
勝ち負けが50%ならコストがあるだけ資産が目減りします。
長期投資ではリターンがある程度決まっているのでコストの影響は大きいのです。
Theoは信託報酬が1%です。
しかし、購入している商品を見ていくと信託報酬は概ね0.5〜0.2%です。
Theoで購入している商品は個人でも購入できるので自分で購入したら一気にコスト削減できます。
自分で買ったら0.5%だとしてTheoが1%ならコスト半減ですね。
自動でやってくれるにしてもちょっと高いかなあ、って思います。
この自動でやってくれることに価値を感じるのかもしれませんが、後述するとおり、わりといい感じに売買することは簡単です。

で2つ目の人工知能関係ないって話は、商品が良ければ別にいいんですが人工知能プロダクトを作ってる身としては気になります。
人工知能を使って投資」と聞くと「人工知能が勝手に儲けてくれる」と思いがちですが実際はそんなことありません。
購入している商品は一般に販売されている投資信託ETFですし、アクティブに売買して稼いでくれるわけじゃないんです。
それなりに投資の勉強をすれば上記のような金融工学的なアプローチは簡単に学べます。
効率的フロンティアに則って売買している個人投資家はかなり多いです。
というかここは金融工学の分野で定式化されていて、シミュレータもネット上にはたくさんあります。

また、どのリスクリターンと安全性の選択は人工知能を通すまでもなく一般的な指針があります。
ロボアドバイザーを使ってみた感じではほぼ指針どおりの答えを出してくれます。
なので、なんだか微妙だなあって感じ。
上述のとおりコストが高いのでそのコスト分の価値を感じません。


と、まあこんな感じで個人投資家としてある程度知識があるとあんまり恩恵を感じないのがロボアドバイザーです。
自動リバランスとかは助かるのですが年に数回しかないのを考えると時間削減にもなりませんし。
いい感じで買うにもちょっと学べばできてしまうので知識を購入している感覚もありません。

ただ、投資関係の知識がない人から見ると価値があるのかも、とは思います。
実際に、投資知識は無いけど投資してみたいって人はたくさんいるので。
(そういう人は投資しない方がいいと思うけど)
そうするとやはりコストが重要かなーと。
もっとコストが減ったら知識が無くてもそれなりの投資ができるので魅力的だと思います。
利用者が減ってスケールしたらコストも減っていくので今後に期待です。